乳がんカフェ

2017年大きなシコリが出現し乳がん摘出手術を受けました。乳がん手術を終えても怖さはいつもどこかにあります。まだ慣れないシリコンおっぱいと共に、ひと息つきながら経過を綴っていきます

いよいよ手術入院

f:id:forsomeone:20180609035819j:plain

 

皮下乳腺全摘+エキスパンダー手術前日に入院、キャリーケースに沢山の荷物を詰め込んで病院へ向かった。

 

独り身の入院は

 独身の女の私は、入院が長引いても、なにか足りない物があっても誰かコレ買って来て、持って来てと言えない状況。荷物は自然と多くなった。ナースステーションに行き、病室へ案内される「景色も陽当たりもいい部屋ですよ~」と通された個室は陽当たりが良すぎて、「いや~本当に景色も陽当たりも良すぎて・・暑いですね」と看護師さんと笑うしかなかった。全館空調で個別空調なし・・・。

 

麻酔科へ

病室に入ってからは検温と普段飲んでいる便秘薬を薬剤師に渡し、入院中の服用に問題ないかの確認。環境が変わると便秘になるから念のため持っていた。その後は麻酔科に出向き麻酔の説明を受ける。女性の麻酔科医の先生でテキパキしている。「首を後ろ反らして見て」「あら~よく反れる。やわらかいわね」「次、口を大きく開けて、あごは痛くない?」などの検査をし、手術中、口の中に器具をいれるから、歯が欠ける恐れがある。などと書かれた同意書にサインをした。麻酔を受ける方への冊子を受け取り「何か質問ある?」「麻酔が切れたら痛いんですかね?痛くないようにしてください」と乳腺外科の担当医に「痛くないようにしてください。って頼むんだよ」と言われてたように伝えた。「術後は皆さん痛みが強い方もいれば、痛みを感じない方もいるけど、痛みがあっても沢山の痛み止めの種類があるから大丈夫よ。安心して!」と励まされ、特別な痛みが出ない麻酔でもあるのかと期待した私は速攻撃沈した。のちに、この乳腺外科の担当医が言っていた意味がシリコン入れ替えの麻酔でわかった。

 

担当医は最後まで

 麻酔科からの帰り、病室の廊下を歩いていると、乳腺外科の担当医の姿が見えた。「よう!来たか~」と言わんばかりの笑顔で近づいて来て廊下を歩きながら話した。「いよいよ明日だね」「うん」「ご両親には話した?」「話してない。でも弟には話した。明日は弟が来る予定」「本当にご両親に話さなくていいの?今は良くてもさ、なんかあった時に、のちのち困るよ。今からでも言った方がいいと思うんだけどな」「なんかあった時って先生それ、手術ミスとか?」「いや~そういうことじゃないけど、もしバレた時に、なんで話さなかったんだ!とか、問題は大きくなるじゃない」「いいの。先生が完璧に癌を取り除いてくれて、形成外科の先生が再建してくれるんだからバレないでしょ。私は健康になるのよ」と自分に言い聞かせた。明日の手術のことで、質問や聞きたいことが沢山あると伝えると夜の回診の時に聞くよと別れた。

 

私が犯した罪

前日に入院しても、特別やることがない。乳がんと言えど具合が悪い訳でもないし。売店で、お水やティッシュ、T字体などを購入したらシーンとした部屋で本を読む気にも、麻酔科でもらった冊子を読む気にもなれず西日が差し込む静かな病室で暇な時間を過ごした。ベッドに横になったら、病人になってしまう気がしてソファから動けない。それでも明日の今頃はこのベッドで苦しんでるのかな?とグッタリとしている姿が浮かぶ。腕に付けられた名前が書かれたリストバンド。開かない窓、消灯は9時、個室だから消灯時間は関係ないけど、真っ白で可愛さもオシャレ感もないベッド。ここは高級刑務所か?落ち着かない暇な時間がそんなことを思わせる。罰として胸を落とされる。なにか私は悪いことをしたのだろうか?してない。いやいっぱいしたかも。したな・・・。この年になっても、いつか大きくなると希望を持っていた私のチッパイ。大きくなることなく明日でお別れ。ソファで膝を抱え卵になって、幼稚園の頃、友達のクレヨンを落として割ってしまったのに、謝ることも正直に言うこともなく、そっとしまったこと、習い事に親には行ったふりをしてバックれてたことなど、晩御飯までの長い暇な時間、これまでの人生の罪を振り返った。結構な数の罪が思い返った。