乳がんカフェ

2017年大きなシコリが出現し乳がん摘出手術を受けました。乳がん手術を終えても怖さはいつもどこかにあります。まだ慣れないシリコンおっぱいと共に、ひと息つきながら経過を綴っていきます

乳がん手術+同時再建終了後 胸の膨らみ乳頭乳輪温存

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手術終了後の病室に戻って来てからの時間の感覚がない。スーっと眠りに入って数秒ですぐ目が覚めるような時間を繰り返していた感じがする。

 

ドレーンの本数を確認し焦る

 病室に戻って来てから片手でドレーンの管の本数を確認した。乳がん手術をした方のブログに、リンパ節を切除した時には、ドレーンの管の本数が2本になる。とそんなようなことが書かれていたブログをみた覚えがあったからだ。胸元を触り管を探す。2本ある!と焦る。弟にスマホを取ってもらい、片手で検索を試みるが苦戦。麻酔のせいか、体力を消耗しているからか睡魔が襲ってくる。片手スマホと睡魔の中、どの方のブログだったかも思い出せず、うまく入力できず諦める。術中のセンチネルリンパ生検でリンパ転移が見つかってリンパ取ったんだ・・・私の乳がんステージいくつなの?落胆の気持ちと現実を早く知りたい気持ち、否定する文章を見つけて安心したいという気持ち、押し寄せる睡魔が入り混じる。弟にリンパにも転移があったかもと告げるか迷ったが止めた。

 

手術後再び焦る、こういうことから医療事故?

 病棟看護師が「ちょっと見せてくださいね」と胸元の傷を確認する。そして次は「もう一つのお腹の傷も見せてくださいね」と布団をめくる。「え!お腹?なんで?私お腹も切ったの?!なんで!」と重い体をムリにでも起こそうとした。PET-CTで光っていた子宮の画像が頭をよぎる。筋腫?筋腫も切ったの?子宮がん?回転の悪くなってる頭がなぜ?と働く。「あっ!違うわね。自己組織再建じゃないわね。びっくりさせてごめんなさい。」と謝罪する看護師。「良かった」と安堵する。違う患者と間違えたのか、単に思い違いなのか、点滴を間違えたとか、患者を間違えたとか、こういうことから医療事故に繋がるんじゃない?と思ってしまう。リンパ節転移があったのか、看護師に聞こうかと思ったけど「先生から聞きましょうね」と言われるのだろうし、その言葉に余計モヤモヤの時間を過ごすことになると思い止めた。

 

手術後の胸の膨らみ

 服の上から胸を触る。ガーゼがあるけど、小さな胸に膨らみがあるのが分かる。10年前乳がん全摘手術を受けた母が「おっぱいなくなっちゃった。おっぱいなくなっちゃったよ・・」と病室で呟いた姿がよみがえる。同じようにこうやって胸を確認したんだな。と膨らみのある胸を撫でた。平になった胸を確認した母はどんなにショックだっただろう。何度も小さな胸の膨らみを確認して、ホッとする。エキスパンダーの小さな膨らみでもホッとできたのは同時再建手術のいいところなのかもしれない。

 

乳頭、乳輪温存、リンパ転移なし

 夕方だったろうか?弟が帰った頃、担当医が病室に入って来た。「リンパ転移なし、乳頭も乳輪も温存できたよ」と言われたけど頭が回らず理解できない「もう一回言って」と同じことを言ってもらい、自分でも同じ言葉を口にして理解した。なんでドレーンの管が2本?どことどこに刺さってるの?なんてことは、もうどうでもよく、私の読み違いだったのだろうと済ませる。病室を出て行く担当医に「先生!ありがとう。凄いね。先生凄い!」とリンパ転移がなかった喜びがそんな言葉になった。「いや、僕が凄いわけじゃないよ」と「うん。でも嬉しい」と目を閉じて体を休めた。

 

彼が来た

 何時に来たのか分からないけど、空は暗くなりかかっていた。「リンパ転移もなくて、乳頭も乳輪も温存できたって」と何度か同じことを繰り返し話した。「もういいから、寝ろ」と言われても同じことを口にした。テレビカードと冷蔵庫に入りきらないほどの水や飲み物、ゼリーなどをいっぱい買って来て机に置いて帰って行ったた。夕方はじめてテレビをつけたが見た番組も覚えていない。