乳がんカフェ

2017年大きなシコリが出現し乳がん摘出手術を受けました。乳がん手術を終えても怖さはいつもどこかにあります。まだ慣れないシリコンおっぱいと共に、ひと息つきながら経過を綴っていきます

乳がん腫瘍マーカー測定拒否とイカれた頭

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特にやることもない入院生活、次に待ち受けるは病理検査の結果とスマホで検索魔。針生検の結果と病理検査の結果で違いがあってショックを受けることもあることや、術前から高値の腫瘍マーカーを調べ、高値でいいことなど一つも書いてないと落ち込んでは安心したいから検索を続ける毎日だった。

 

乳がん手術入院中の不眠生活

 そんな検索をして不安になるからか、環境の違いからか入院中は不眠におちいった。夜は眠れず、朝方4時や5時に眠りにつけても30分ほどで目が覚めてしまう。巡回に来る看護師さんに「まだ寝れない?」と心配され睡眠薬が処方されるも寝れず、毎日違う睡眠薬が出るようになった。私的には「寝れなきゃ寝なきゃいい」と思いながら個室の特権と深夜テレビを見続けた。昼間は院内を歩き回り、食欲も旺盛、寝れない以外なにもない。

 

乳がん腫瘍マーカー測定を拒否

 ドレーンの排液も少なくなった頃、担当医が「腫瘍マーカーを測ろうか?」とやって来た。次に待ち受けるは退院後の病理検査の結果と心の準備はしていたものの、入院中に腫瘍マーカーとは、突然の言葉に驚き断る。「手術で下がってるかもしれないじゃない?」ごもっとも言葉だけど、下がってなかった時、万が一、上がってた時のことを考えると怖くてたまらない。「測ろうよ」「いやだ。下がってなかったらどうしたらいいの?」「その時はその時考えればいいじゃない」「その時に考えれば・・って、他人事だからよ・・・下がってなかった時の、その考えって?」と問うと担当医は冷静な顔で「PET-CTで光ってった子宮を疑う。婦人科に回す」と応えた。「乳がん手術終えたばかりで今度は子宮ガンの疑い?!」もう耐えられない。

 

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MRI禁止のエキスパンダーが入ってますけど

 「先生、婦人科を受けたとして、私の胸にはエキスパンダーがもう入っている。MRIはとれない。子宮の病気の疑いが濃くなってMRI検査をするために、入れたばかりのエキスパンダーどうするの?とるの?それとも再建手術を終えるまでMRI撮影できずに数か月モヤモヤと待つの?だったら、乳がん手術を受ける前に撮っとくべきだった。」「それは・・・」と担当医も言葉がなくなる。別に担当医と喧嘩をしたいわけではない。先生も考えてくれているからこその検査だというのは分かっている。ただ、今は心が無理。MRIも無理。

 

医師の仕事 患者の心

 「じゃあ、どうするの?このまま腫瘍マーカー測らないの?」と先生は突っ込んでくる。「今は乳がんの手術を終えた。それでいいじゃない。それで元気になれる気がするんだから、今はいいじゃない」400を超えるCA15-3の腫瘍マーカーが術前に測定されているのだから、先生の言うとおり測定すべきことも分かっている。だけど、乳がん手術を終えて数日、エキスパンダーが入って小さな膨らみがあっても、毎日消毒される間、顔を横に向け胸の傷もエキスパンダーが入った胸、残った乳頭、乳輪をまだ見ることにができず背けている。エキスパンダーの胸や傷、病理検査の結果、突きつけられるものが待っているのに、腫瘍マーカーの高値、子宮ガン、今はもうこれ以上突きつけないでくれ。もう少し待って、ひとつ、ひとつ向き合わせて。

 

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研究材料にどうぞ

 「先生。腫瘍マーカー測りたいんでしょ?」と問う。「うん。僕としても興味がある」の正直な言葉に思わずフフフっと笑ってしまった。「なら、いいよ。調べて、でも私に結果は言わないで」「それは、ダメだ!患者に報告する義務があるんだから」「いいじゃない。患者の私が好きに調べてください。と言ってるんだから」「いや、そういう訳にはいかない」「測るのはいいよ。でも今は結果を聞きたくないんだから、先生が勝手に調べればいいじゃない」測ることを承諾しても交わらない。

 

乳がん以外に心も頭もイカれた?

「もう、本当いやだ。もう本当に病気になりそう!」と言った言葉に先生と顔を見合わせ「あれ?ちがうね。もう私、病気なんだよね?」と笑い「採血していいから、結果は言わないでよ。今は聞きたくない」と繰り返した。「そういう訳にはいかないんだって。じゃあ弟さんに言う?」の言葉に先生の顔をしばらくジッと見てから顔を横に振り「もう、いやだ・・・。弟?やめてよ」と目を閉じ両手で頭を抱え込んだ。

「もう・・戻りたい」と頭を抱え込んだまま呟く。「どこに?」の言葉にハッとする。浮かんでた映像は、へその緒がつき水の中に浮かぶ胎児の姿だった。母のお腹の中?なんで?と自分でも驚いていた。

「どこに戻りたいの?転院前のM病院?お家に?どこに戻りたいの!?」と強く聞かれ、無言で首を横に振り正気を取り直す。

「M病院の先生のところに戻りたいの?それとも弟さんに結果を伝える?精神科の先生に相談する?」と突っ込んでくる担当医の言葉に「精神科」とボッソと答えた。「わかった」と部屋を出て行く担当医は最後に「病気と向き合ってください」と頭を下げていった。独身一人暮らし、ながらワーカーになれない環境下で仕事も辞め、こんな時に家族の事情が盛りだくさんの中、弟以外に秘密の乳がん。気が狂いそうになるほど、今向き合ってるのよ・・・。と頭に浮かんだ胎児の姿を思い出し、私頭イカれた・・と眠れない眠剤を飲みテレビをつけたまま朝を迎えた。

 

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