ながらワーカーになれましたか？

癌でも仕事を辞めずに、通院しながら、休憩しながら、相談しながら、話し合いながら

治療しながら働く「ながらワーカー」

CMもよく見ます。皆様はながらワーカーになれましたか？

乳がんだったら仕事どうしよう？と頭に浮かぶ

 シコリを見つけ、乳がんかも！と思った時「仕事、会社、迷惑」そんなキーワードが早い段階で浮かんだ。病院を予約し、初診でマンモとエコーを撮ったあと「次回針生検」と言われた時に

細胞診じゃなくて針生検、癌の疑い「強」ということかな・・・。と覚悟した。 

会社に相談、報告するタイミング

針生検をした翌日には、乳がんの疑いがあるので退職を希望、すぐに人員の確保をして欲しいこと、乳がん確定ならば、検査、診察を何よりも優先したい。今後の診察や体調によっては、早い段階で退職もあり得ることを社長に告げた。

実際、社長への報告から１か月、針生検乳がん確定結果から２週間後に私は退職をした。

なにも仕事をやめなくても

乳癌手術の入院中、担当医との会話の中で、とうに仕事を辞めたことを話した。

「え！仕事辞めちゃったの？仕事辞めなくたって治療はできるのに」と担当医は驚いていた。

仕事を辞めなくても治療ができるかは職種や環境にもよるのよ・・・。と思った。

休めない会社

 乳がんが分かる４か月前に入った少人数の会社。隣のデスクに同時期に入った事務担当の子がいたが、前任者からの引き継ぎ終了から遅刻欠勤を繰り返しドロン。事務業務滞り状態。経理、給料計算、前歴を見ればなんとかできた。月末処理などスラスラとできるようになってきた頃、乳がんかも！とシコリ発見。

ただ、私の仕事は経理でも総務的な仕事でもなく、他の専門職。欠員になった事務職は最低限のことだけをオマケでしていた。少人数の会社で、専門職の有資格者は私と週２日のパート女性のみ。このパート女性も家の都合で9月末から２か月休職することが前々から決まっていた。

乳がんが確定されれば、治療と仕事との調整は今の環境では難しいこと、手術で数週間入院すれば資格者がいない会社は、会社として機能しないことも分かりきっていた。

だから40代バツイチ子なしの独身の私は、子供の都合で休むこともないだろうと即決採用だったと思う。

赤字の会社

 経理をしたから、会社の財政がわかる。

９月に大きな支払いがあるが、支払う資金すら足りない。その他にも従業員の給料、事務所家賃、しかも事務所家賃の更新料もあり、大赤字です金策願います。と社長には告げていた状態だった。私を置いたまま、同等の給料で違う人を雇う余裕はない。私の入院、治療、体調に合わせて、都合よくその時だけ働きに来てくれる人を探すことは、もっと難しいだろう。

 疾病手当金

 健康保険から休職しても最長１年６か月の疾病手当金が受け取れる。

でもさ、休職中の社会保険料の会社負担分は会社側？これは権利というものだろうけど赤字会社に迷惑を掛けるな・・。

退職後も受給可能らしいけど、私はこの会社に来てまだ４か月。１年以上社会保険に加入していれば退職後も疾病手当の受給は可能みたいだけど、私は休職という方法しかなさそう。

 結局、余裕もポジションもなければ、ながらワーカー環境ではない

乳がんの治療方法は人それぞれ、検査を進めていく中治療方法が決まり、それに合わせてこの会社からの協力を得るのはとても難しい。

もっと会社の資金、人員的余裕、配置転換など可能な会社、私の余裕があれば、休職や疾病手当の手続をしたのだろうけど、相談できる総務や事務員もいない。

仮に新しい方が働きにきてくれて治療後復帰すれば人員が余剰してしまう。復帰ポジションがないのに
社会保険の自己負担分を振り込みますからその後の手続きは・・・と社長に説明するのも、疾病手当受給中の会社負担も迷惑だろうな・・・。と不安と胸のジンジンする痛みの中、余計なことを考えることがイヤにもなった。

 今置かれた環境は

上司と体調を相談しながら治療や仕事を進められるような「ながらワーカー」環境の会社ではない。

一番優先したいのは自分の体。余計な心配は排除！

「乳がんの疑いがあるので退職します。」それでいいじゃないか！針生検の結果乳がんじゃなければラッキーで求人を出して決まってなければ、そのまま働く。後任が決まってれば転職すればいい。最悪なのは乳がんで、求人を出しても後任が決まらず会社が機能しなくなることも、診察を優先したくてもできないのは絶対にイヤだ。

そんなわけで針生検の翌日に求人依頼をかけ、乳がん確定結果が出た２週間後に退職した。

皆様はどうですか？